マイコプラズマ感染症
はじめに
マイコプラズマ感染症は、主に学童期以降のお子さんや若年成人に多くみられる呼吸器感染症で、長引く咳が特徴です。
若い人の肺炎の原因として比較的多い「マイコプラズマ肺炎」が知られていますが、マイコプラズマに感染しても多くの人は軽症ですみ、必ずしも肺炎になるというわけではありません(肺炎になるのは、感染した方の3~10%)。
初期は、風邪のような症状から始まることが多く、風邪との違いを判断するのが難しいことも多いです。発症後数日たっても改善がなかったり、咳が徐々に悪化するなどの症状の経過、周囲の流行状況などにより、マイコプラズマ感染症の可能性を考えます。
咳が長引くなどの症状がある場合は、受診するようにしましょう。
よくある症状・経過
初期症状
どんな症状?
- 発熱(微熱〜38℃前後)
- のどの痛み
- だるさ、頭痛
- かぜのような症状
- 咳は少し遅れて始まることもあり、乾いた咳が続き、後になって痰が絡むことも
※発熱は数日で下がることもありますが、咳が目立ってきます。
※治療しなくても、1週間~10日で自然に治ることもあります。
咳が続く時期
| 咳の特徴 | 乾いた咳(コンコンという咳) 咳は次第に悪化し痰が絡むことも 夜間眠れないほどの強い咳 2週間以上(3-4週間)続くことも |
| そのほかの症状 | 胸の痛み 息切れ 食欲低下など |
| 合併症 | 中耳炎、胸膜炎、心筋炎、髄膜炎など |
回復期
- 抗菌薬治療により、発熱は比較的早く改善
- 咳は徐々に軽快しますが、完全に治まるまで時間がかかることがあります
マイコプラズマ感染症の原因・うつり方
| 原因 | マイコプラズマ・ニューモニエという細菌の一種 |
| 感染経路 | 飛沫感染(咳・くしゃみ・会話)、接触感染 |
| 潜伏期間 | 約2〜3週間と長いため、どこでうつったのか分かりにくい |
※家庭内や学校など、集団生活で広がりやすい感染症です。
治療
マイコプラズマ感染症は、自然治癒も多いため、すべての方に抗菌薬治療が必要というわけではありません。
必要な方には、基本的にマクロライド系抗生物質で治療します(近年、耐性菌の増加が報告されており、必要時は他剤を使用することもあります)。
軽症ですむことが多いですが、重症化した場合は、入院加療が必要になる場合もあります。
おうちでのケア
| 安静 | 発熱や咳が強い間は無理をしない |
| 水分補給 | こまめに水分をとる |
| 室内環境 | 乾燥を避け、適度な加湿を |
| 服薬管理 | 処方された抗菌薬は、症状が軽くなっても指示どおり最後まで内服 |
※市販の咳止めだけで様子をみ続けるのは避けましょう。
こんなときは早めに受診を
- 咳が2週間以上続いている
- 夜眠れないほど咳が強い
- 呼吸が苦しそう、胸の痛みがある
- 高熱が続く、ぐったりしている
- 水分や食事が十分に取れない
登園・登校の目安
- 発熱がなく、全身状態が良好で、激しい咳がおさまっていることが目安です。
※明確な出席停止期間はありませんが、咳が強い間は無理せず自宅療養してください。園・学校の指示がある場合は、それに従ってください。
予防について
マイコプラズマ感染症にはワクチンはありません。日常的な感染対策が大切です。
- 咳エチケットを守る
- 手洗い・うがいを習慣にする
- タオルの共用はしない
- 体調不良時は無理に登園・登校しない
- 免疫力をおとさない(良質な睡眠・生活リズム、パランスのよい食事)
受診時にお持ちください
- 母子手帳
- マイナンバー/医療証
- お薬手帳
- 発熱や咳の経過が分かるメモ(いつから・どんな咳か)
よくある質問(FAQ)
Q. ただのかぜとの違いは何ですか?
A. 発症初期に区別するのは困難です。発熱が続いたり、発熱などの全身症状が軽くなった後も、乾いた咳が長く続く(ひどくなる)のが特徴です。咳が続く場合は受診をおすすめします。
Q. きょうだいや家族にうつりますか?
A. はい。飛沫感染・接触感染でうつるため、家庭内でも感染が広がることがあります。日頃から手洗い・うがい・咳エチケットを心がけましょう。
Q. 抗菌薬を飲めばすぐ治りますか?
A. マイコプラズマ感染症は軽症ですむことも多く、基本的には自然に治癒するため、すべての方に抗菌薬の治療が必要なわけではありません。抗菌薬治療後、発熱は比較的早く改善しますが、咳が完全に治まるまで時間がかかる場合があります。
Q. マイコプラズマって何度もかかるの?
A. はい。マイコプラズマ感染症は何度も感染する可能性があります。一度かかっても麻疹(はしか)のように一生免疫がつくわけではなく、数年で免疫が弱まるため、数年後(場合によっては1年後)にまたかかってしまう可能性があります。



