ヘルパンギーナ
はじめに
ヘルパンギーナは、主に夏に流行するウイルス感染症で、乳幼児〜学童期(5歳以下が90%、1歳代が最も多い)のお子さんに多くみられます。
突然の高熱とのどの痛みが特徴で、のどの奥に小さな水ぶくれ(発疹)ができることで、強い咽頭痛のため、食事や水分がとりにくくなることがあります。
多くは数日で自然に回復しますが、脱水や高熱時の全身状態には注意が必要です。また、まれに、無菌性髄膜炎や急性心筋炎を合併することがあります。
よくある症状・経過
初期症状
どんな症状?
- 突然の発熱(38〜40℃)
- のどの痛み
- 食欲低下、機嫌が悪い
- 軽い腹痛や嘔吐を伴うことも
※発熱と同時、または翌日頃からのどの症状が目立ってきます。
のどの発疹(水ぶくれ)
| どこに出る? | のどの奥(軟口蓋、口蓋垂の周囲) |
| 見た目・特徴 | 赤い発疹や小さな水ぶくれ、破れると白っぽい潰瘍になり強い痛みを伴う、口の前の方よりも「奥」にできやすいのが特徴 |
回復期
- 発熱は2〜4日ほどで解熱
- のどの痛みも徐々に軽快
- 全体として1週間前後で回復します
ヘルパンギーナの原因・うつり方
| 原因 | 主にエンテロウイルス(コクサッキーウイルスなど) |
| 感染経路 | 飛沫感染(咳・くしゃみ)接触感染(唾液・鼻水・便を介して)※症状が落ち着いた後も、便からウイルスが排出されることがあります。 |
| 潜伏期間 | 約2〜5日 |
おうちでのケア
| 安静 | 発熱時は無理をせず、ゆっくり過ごす |
| 水分補給 | 少量ずつこまめに。冷たい飲み物やゼリー状がおすすめ |
| 食事 | 刺激の少ない、のどごしの良いもの(おかゆ、ヨーグルト、プリンなど) |
| 解熱・鎮痛 | 医師から処方された薬を指示どおり使用 |
※酸味・塩分の強いもの、熱い食事は痛みを強めるため控えましょう。
こんなときは早めに受診を
- 水分がほとんど取れず、尿の回数が少ない(脱水のサイン)
- 高熱が続く、ぐったりしている
- 嘔吐を繰り返す
- けいれんを起こした
- 痛みが強く、眠れない、機嫌が極端に悪い
登園・登校の目安
解熱し、全身状態が良好で、食事や水分がある程度とれることが目安です。
※明確な出席停止期間はありませんが、発熱や強いのどの痛みがある間は自宅で安静にしましょう。園や学校の方針がある場合は、それに従ってください。
予防について
ヘルパンギーナに特効薬やワクチンはありません。
- 手洗い・うがいを習慣にする
- タオルや食器の共用を避ける
- おむつ交換後はしっかり手洗い
とくに流行時期は、感染予防が大切です。
※主な症状が消えた後も、ウィルスが長期間、便から排泄されることがあるので、症状のある時だけ隔離しても、厳密には感染を防ぐことができません。
流行期には、しっかり、うがい・手洗いをしましょう!
受診時にお持ちください
- 母子手帳
- マイナンバー/医療証
- お薬手帳
- 発熱や食事・水分摂取量の経過が分かるメモ
よくある質問(FAQ)
Q. 手足口病との違いは何ですか?
A. ヘルパンギーナは主にのどの奥に発疹が出るのが特徴で、手足に発疹はほとんど出ません。手足や口の周り、お尻に発疹が出ている場合は、手足口病の可能性があります。
Q. きょうだいにうつりますか?
A. はい。感染力があるため、きょうだいや家族にうつることがあります。とくに発熱前後は注意が必要です。
Q. 解熱したらすぐ登園できますか?
A. 解熱しても、のどの痛みが強く食事や水分が取れない場合は、もう少し自宅で様子をみましょう。全身状態が戻ってからの登園をおすすめします。
Q. またかかることはありますか?
A. はい。ヘルパンギーナの原因となるウィルスには複数の型があります。そのため、一度かかって免疫がついても、他の型に感染するとまたヘルパンギーナを発症することがあります。



