気管支喘息
こどもの気管支喘息(ぜんそく)
気管支喘息とは
気管支喘息は、空気の通り道(気道)に慢性的な炎症があり、刺激に対して過敏になっている状態です。
ハウスダスト・ダニ・ホコリ・ペットの毛・ウイルス感染(かぜ)・気温差・ストレスなど、さまざまな要因が引き金となって症状が出ます。
喘息は発作が出ているときだけ治療すれば良い病気ではありません。
症状が落ち着いたように見えても炎症が残っていることが多く、自己判断で治療を中断すると、以前より重い発作を起こす危険性があります。日頃からの予防・管理がとても大切です。
喘息の治療の基本
喘息の治療薬は、大きく「長期管理薬(予防薬)」と「発作治療薬」の2種類に分かれます。
| 分類 | 目的 | 薬の種類 | 使用のタイミング |
| 長期管理薬(予防薬) | 発作を起こさない・炎症を抑える | 抗アレルギー薬、吸入ステロイド薬、長時間作用型気管支拡張薬 | 毎日、定期的に使用 |
| 発作治療薬 | 発作時の症状を和らげる | 内服ステロイド薬、短時間作用型気管支拡張薬 | 発作時のみ使用 |
喘息治療では、「予防薬をしっかり使いながら、発作治療薬は必要なときに」という使い分けが重要です。
定期的な通院で、症状の変化や薬の効果を確認しながら治療を進めます。
1. 抗アレルギー薬(長期管理薬)
- 発作を起こしにくくする予防薬です。
- 発作が起きてから使っても効果はありません。
- 効果が出るまで2〜3週間程度かかることがあります。
抗アレルギー薬には複数の種類があり、お子さんによって効果が異なります。数か月使用しても十分な効果がない場合は、薬を変更することもあります。
効果が出て発作が減っても、炎症が残っているうちに自己判断で中止すると再発の原因になります。
減量・中止は医師と相談しながら行いましょう。
2. ステロイド薬
2-1. 吸入ステロイド薬(長期管理薬)
- 発作を起こしにくくする最も重要な薬です。
- 気道に直接薬を届けるため、内服や注射に比べて全身への影響は少なく、通常の使用量では安全性が高いとされています。
- 現在の喘息治療では中心的な役割を担っています。
主な副作用
- のどの違和感
- 声がかすれる
- 口やのどにカンジダ(カビ)が増えることがある
※ これらは、ほとんどが吸入後のうがいで予防できます。
2-2. 内服ステロイド薬(発作時)
重い喘息発作時に短期間だけ使用します。
小児はステロイドへの感受性が高いため、成長や骨への影響を考慮し、必要最小限の期間・量で行います。
3. 気管支拡張薬
3-1. 長時間作用型(予防)
吸入ステロイド薬や抗アレルギー薬と併用して発作予防に使います。
効果が出るまで時間がかかるため、発作が起きたときには使用しません。
3-2. 短時間作用型(発作時)
発作時に気管支を素早く広げる薬です。
速効性がありますが、頻回使用は危険信号です。使用回数が増える場合は、喘息のコントロールが不十分というサインです。
4. 配合剤(例:アドエア®)
吸入ステロイド薬と長時間作用型気管支拡張薬が1本にまとまった薬です。
毎日の使用で予防効果を発揮し、服薬の手間を減らすことができます。
受診・治療のポイント
- 症状が軽くなっても、予防薬を自己判断で中止しない。
- 発作治療薬の使用回数が増えてきたら、コントロール不良のサインです。
- 定期的な通院で、症状・成長・薬の効果を確認しながら治療を続けましょう。
- 吸入手技(使い方)もとても大切です。診察時に何度でも確認してください。
まとめ
- 喘息は「発作を起こさせない」予防管理が基本です。
- 薬は長期管理薬(予防)と発作治療薬に分かれ、それぞれ目的が違います。
- 吸入ステロイド薬は喘息治療の中心で、安全性も高い薬です。
- 治療の中断や自己判断での変更は発作悪化の原因になるため、医師と一緒に治療を続けていきましょう。



