おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)
はじめに
おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)は、ムンプスウイルスによる感染症で、感染力が強く、主に幼児〜学童期(3~6歳が中心)に多くみられます。流行に季節性はなく、年間を通してみられます。
耳の下やあごの腫れ、発熱をきっかけに気づかれることが多く、左右どちらか、または両側の耳下腺・顎下腺・舌下腺が腫れるのが特徴です。
多くは自然に回復しますが、まれに合併症を起こすことがあるため、正しい経過観察と登園・登校の判断が大切です。
よくある症状・経過
初期症状
どんな症状?
- 発熱(微熱〜38℃台)
- だるさ、食欲低下
- のどの違和感、頭痛
- 感染しても発病しない(不顕性感染)場合も多くある(30~35%)
※腫れが出る1〜2日前から、かぜのような症状がみられることがあります。
耳下腺の腫れ
| どこが腫れる? | 耳の下〜あごのあたり(耳下腺・顎下腺・舌下腺) |
| 見た目・特徴 | 片側または両側が腫れる、押すと痛い、口を開けると痛む、腫れは数日〜1週間ほど続く |
回復期
- 発熱や痛みが徐々に軽快
- 腫れも1〜2週間ほどで改善
※症状の強さや経過には個人差があります。
合併症(軽症ですむことがほとんどですが、まれに注意すべき合併症がみられます)
- 髄膜炎:つよい頭痛や吐き気。年齢が上がるほど症状が重くなる傾向がある。
- 難聴:頻度は高くないが、聴力が改善しにくい。
- めまい・耳鳴り:成人に多い合併症で、症状が長引くことが多い。
- 精巣炎・卵巣炎:成人。不妊や流産の原因になる可能性がある。
- 膵炎:つよい腹痛や吐き気。
※症状の強さや経過には個人差があります。
※大人になってからかかると、重症化することもあるので注意が必要です。
おたふくかぜの原因・うつり方
| 原因 | ムンプスウイルス |
| 感染経路 | 飛沫感染(咳・くしゃみ・会話)接触感染(唾液がついた手や物) |
| 潜伏期間 | 約2〜3週間 |
おうちでのケア (特別な治療法はありません。)
- 安静:無理に外出せず、ゆっくり過ごす
- 水分補給:痛みで飲みにくい場合は、少量ずつこまめに
- 食事:酸味の強いものは痛みを強めることがあるため控えめに
- 冷却:腫れて痛む部位を、冷たいタオルなどでやさしく冷やす
- 解熱・鎮痛:医師から処方された薬を指示どおり使用
※耳下腺などを強く押したり、無理にマッサージするのは避けましょう。
こんなときは早めに受診を
- 高熱が続く、ぐったりしている
- 強い頭痛、繰り返す嘔吐(髄膜炎の可能性)
- 腹痛や嘔吐、吐き気が強い(膵炎の可能性)
- 思春期以降で、精巣・卵巣の痛みや腫れがある
- 痛みが強く、水分がほとんど取れない
登園・登校の目安
耳下腺の腫れ(腫れ始めた日は0日目)が出てから5日を経過し、かつ全身状態が良好になるまでは登園・登校を控えましょう。
※園や学校の方針がある場合は、そちらに従ってください。
予防について(ワクチン)
おたふくかぜはワクチン接種で予防可能な感染症です。
- 定期接種ではありませんが、1回目:1歳頃、2回目:年長〜小学校入学前の接種が推奨されています。
- 接種により、発症予防(2回接種でほぼかからなくなります)や、(もしかかったとしても)重症化・合併症のリスクを下げることができます。
※手洗い・うがいをしっかりしましょう!
受診時にお持ちください
- 母子手帳
- マイナンバー/医療証
- お薬手帳
- 発熱や腫れの経過が分かるメモ・写真
よくある質問(FAQ)
Q. 片側だけ腫れていても、おたふく風邪ですか?
A. はい。最初は片側だけ腫れ、数日後に反対側が腫れることもあります。片側のみで終わる場合もあります。
Q. きょうだいにうつりますか?
A. 感染力があるため、同居家族にうつる可能性があります。発症前から感染力がある点に注意が必要です。
Q. 一度かかれば、もうかかりませんか?
A. 多くの場合は一生免疫がつきますが、まれに再感染することもあります。ワクチン接種は有効な予防手段です。
Q. 何度もおたふくだね、と言われるんだけど?
A. 似たような症状を何度も繰り返す方は、反復性耳下腺炎の可能性もあります。その場合、ムンプスウィルスが原因ではなく、他のウィルス感染、アレルギー、虫歯、唾液腺の異常など別の原因が考えられます。



