子供の病気Q&A

こどもの花粉症について


こどもの湿疹について


食物アレルギーについて


気管支喘息について

こどもの花粉症

最近こどもの花粉症は増えてきていると言われています。
春のスギ花粉はよく知られていますが、夏にはイネ科、秋には菊科がピークを迎えるために春以外にも花粉症の症状がある場合にはアレルギー検査をして原因を調べましょう。

症状を抑えるためには花粉の予防対策が重要ですが、鼻水が止まらずイライラしてしまったり、目をあまり強くこすりすぎると目に傷が入ってしまったりすることも考えられます。
症状に合わせた治療が必要ですので、早めに受診しましょう。

内服薬だけでなく、点眼薬・点鼻薬、また目のまわりが赤くなっている場合は、軟膏を処方することもあります。

こどもの湿疹

子どもの肌にボツボツやカサカサを見つけたら、アトピー?と親は不安になりがちですが、生後4ヶ月くらいまでの皮膚のトラブルは「乳児湿疹」と称され、多くは適切なスキンケアで改善します。
体の機能が未発達の乳幼児は、少しの刺激でも皮膚症状が出やすいので、あわてずに受診して下さい。

脂漏性湿疹 : 頭やまゆ毛などに、やや黄色い湿疹が少し盛り上がってできるもの。皮膚の表面で脂分や汗が固まってしまうのが原因です。スキンケアを行い、必要に応じて軟膏を併用すれば治ります。

おむつかぶれ : おむつを当てる部分に起こるもの。おむつ交換をまめにし、お尻をきれいに洗って乾燥させてからおむつを当てましょう。紙おむつ使用のときは、メーカーを変えると治まる場合もあります。難治な時はかびによるカンジダ皮膚炎などの場合もあります。

アトピー性皮膚炎 : 慢性的な湿疹。アトピー性皮膚炎の人の皮膚は保水力が乏しくて乾燥しやすく、外部からの刺激に弱いです。診断は早くても4ヶ月くらいからで、生後すぐに診断はできないことが多いですが家族内にアレルギー素因の強い場合などはご相談下さい。

食物アレルギー

アレルギーの原因になる「アレルゲン」は小児では卵、牛乳、小麦の割合が多いですが、その他、魚卵、フルーツ、大豆、ピーナッツ、そば等様々なアレルゲンがあります。

食物アレルギーの症状は、その食品を食べてから、症状の現れるまでの時間の長さによって、即時型と非即時型(遅延型)とに分類されます。

即時型アレルギーでは原因食物を食べて数分~皮膚症状(じんましん、皮膚が赤くなる)、呼吸器症状(咳、ゼーゼー、呼吸困難)、粘膜症状(目や口がはれる)、消化器症状(腹痛、嘔吐、下痢)などの症状がでます。重症ではアナフィラキシーショックを起こします。

“食物依存性運動誘発アナフィラキシー”といって、食事後に運動を行った場合にみられることがあります。

非即時型アレルギーでは、原因食物を食べて数時間経過して症状がでます(24~48時間以上かかる場合もあります)。消化器症状や皮膚症状などが多く見られます。
赤ちゃんの食物アレルギーでは頑固な下痢、原因不明の血便、体重増加不良などがみられることもあります。


アナフィラキシーを起こしたことがある方へ
アナフィラキシーとは、アレルギーの原因物質に接触したり、食べたりした後に、数分から数十分以内に激しいアレルギーによる症状が体全身に現れるもので す。重症の場合には、呼吸困難や意識障害を引き起こし、ショック(アナフィラキシー・ショック)を起こすこともあります。

アナフィラキシーの治療は一刻を争うものです。過去にアナフィラキシーを起こした人はエピペンという症状を緩和する注射がありますのでご相談下さい。

エピペン
http://www.epipen.jp/user/index.html

気管支喘息

気管支喘息は、空気の通り道である気道が過敏となって炎症が起きている状態です。
ハウスダスト、ダニ・ホコリ・ペットの毛、風邪などの感染、ストレスなど様々なものが引き金となって起こります。
喘息は症状がある時(発作)の治療はもちろんですが、発作が落ち着いてきたと思って治療を中断すると、以前よりさらにひどい喘息の発作を起こすこともあり危険です。


喘息の治療薬は大きく以下の2種類に分けられます。
・長期管理薬(予防薬):
1.抗アレルギー薬
2-1.吸入ステロイド薬
3-1.長期作用型の気管支拡張薬

・発作治療薬:
2-2.内服ステロイド薬
3-2.短時間作用型の気管支拡張薬

長期管理薬は症状予防のために毎日規則的に使うもので、発作治療薬は発作が起きたときに使うものです。
喘息治療は定期的な通院が必要です。通院中に分からないことがあった時にはいつでも聞いてください。

1.抗アレルギー薬


発作をおきにくくする長期管理薬です。発作がおきてから使っても楽にはなりません。効果が出るまでに、2、3週間はかかります。様々な種類の抗アレルギー薬がありますが、人によって効く薬が異なるため、数ヶ月間使っても効果がない場合は別の薬に変える必要があります。

また、単独での効果は弱いので他の予防薬と併用することが多いです。

効果が出て喘息の発作が少なくなっても、気道の炎症が改善する前に服用を止めてしまうと、また発作を起こしてしまいます。服用を中止したり、減量する場合には相談しながら行っていきます。

2.ステロイド薬


ステロイド薬には発作予防として使う吸入ステロイドと発作の時に使う内服ステロイドがあります。

2-1.吸入ステロイド


発作をおきにくくする長期管理薬です。ステロイドと聞くと副作用の心配をされる方が多いと思いますが、吸入ステロイド薬は気道に直接噴霧するため、1日の 量が内服や注射にくらべて少なくすみ、普通の使用量では全身への影響はほとんどありません。吸入ステロイド薬は現在、喘息治療の中心的な役割を果たしてい る薬です。

副作用としては、のどや口に付着した薬によって、のどの違和感、声がかすれる、のどや口のなかにカンジダというカビが増えてしまうこと等がありますが、薬をやめれば治ってしまうものがほとんどです。副作用の予防のために吸入後にうがいをします。

2-2.内服ステロイド


重い喘息発作の場合は使わざるを得ませんが、小児はステロイドホルモンに対する感受性が高く、少ない量でも成長や骨に対する影響があるため短期間での使用となります。

3.気管支拡張薬


気管支拡張薬には発作の時に使用する短時間作用型のものと、発作予防のために使う長時間作用型のものがあります。

3-1.長時間作用型


長時間作用型の気管支拡張剤は抗アレルギー薬や吸入ステロイドと併用して発作予防として使用します。長時間作用型のものは効果がでるまでに時間がかかるので、発作の時には短時間作用型のものを使用します。

3-2.短時間作用型


短時間作用型の気管支拡張剤は効果がすぐのため、発作の時に使用しますが、依存や過剰使用が問題となります。
短時間作用型を頻繁に使うということは、喘息がコントロールされていないということになります。

吸入ステロイド薬と長時間作用型の気管支拡張薬の配合剤としてアドエアという薬もあります。